6月7日市議会一般質問原稿~憲法の理念を活かし、差別に反対するために~

6月7日の一般質問原稿をここにアップします。
このように話しましたが、ごく一部変えたところもあります。
また、****【】は、私が読みやすくするため記入しました。
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「小さな声を活かす会」山本ひとみです。通告に従い質問をいたします。
内容は3項目です。①憲法の理念と内容を社会に活かす・②「ヘイトスピーチ」「ヘイトクライム」を許さない・③武蔵野プレイス西側の3・4・27号線の見直しについて、の3項目です。
なお、通告で私は「ヘイト行為」ということばを使いましたが、これは不正確であると反省しました。今後は「ヘイトスピーチ」「ヘイトクライム」ということばを使いたいと思います。
それでは質問に入ります。
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大きな1番目は、【憲法の理念と内容を社会に活かす取り組み】について、質問します。

参議院選挙が近づいています。参議院選挙のあと、3年間国政選挙がない可能性も指摘されており、憲法についても選挙の大きな争点となることが予想されています。
私は日本国憲法前文の「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」をとリわけ評価しています。
また、条文では戦争放棄・婚姻のあり方・拷問や残虐な刑罰の禁止・生存権・憲法尊重義務等に大きな関心を持ってきました。
憲法の理念は、人類のめざすべき社会のあり方を語っているものであり、どこかに飾っておくのでなく、現実の政治の中で活かしていくべきだと思っています。
2月24日に始まったウクライナでの戦争では、非戦闘員も含め、多くの子どもや女性が犠牲となっており、他国に逃れた人も数百万人単位となっています。
日本国憲法の理念を活かして、戦争を終わらせ平和が実現することを心から望み、戦争反対の活動を続けていきたいと思います。
こうした考えに立って、以下3点を質問します。

1点目に、【憲法の理念・内容への評価】に関して伺います。

市長・教育長の、憲法の基本的な考え方・前文に関する見解をお聞かせください。

2点目に、【「平和・憲法手帳第2版」の普及啓発】に関して伺います。

現在「平和・憲法手帳第2版」が発行されています。私も読んでいますが、武蔵野市の平和事業もあり、日本国憲法や世界人権宣言も掲載されています。しかもコンパクトです。
そこで、普及について過去5年間の冊数と普及の内容をお尋ねします。
また、それをどのように評価しているか、今後の方針はどのように考えているかについても、お尋ねしたいと思います。

3点目に、【戦争の全体像を伝える教育】に関して伺います。

戦争は被害も加害もあります。戦争に関しては、多方面の事実を検証する必要があると思います。
ウクライナでの戦争は継続しており、戦争をめぐる議論はこれまでよりも多くなっているように感じています。
戦争の全体像を具体的に知っていくことは、世界の中での日本の存在を考えた時、重要性が増大しているのではないでしょうか。
第1に、公立小中学校の教育課程に関してです。
子どもの権利条例制定へ向けた議論の中では、戦争に巻き込まれず平和に生きる権利が、多くの児童生徒にとって重要な権利であることを子ども自身が望んでいることが示されました。
武力行使は、近現代だけでおきているわけではありませんが、国家と国家の戦争が20世紀の歴史で大きなできごとであることは否定できません。しかし、私の聞いた範囲だと近現代史に十分な時間をかけることができるのか、心配もあります。
そこで、質問ですが、公立小中学校での教育課程で近現代史、なかでも戦争に関しては、どのように教えているのか、お聞かせください。
第2に、児童生徒が、問題や批判を感じたり、別の意見を持った場合に、教育課程ではどのような方法があるかについても、お尋ねします。
第3に、戦争の全体像を伝えることは、世界の中の日本を考え、他国との相互理解促進を考えれば欠かせないことであると考えます。
加害も被害も、なぜそうなのかを考え、これからの社会や政治のあり方に活かしていくことが求められているのではないでしょうか。
これらの点についての市長・教育長の見解をお聞かせください。

大きな2番目に、【差別と「ヘイトスピーチ」・「ヘイトクライム」を許さない取り組み】について、質問します。

昨年12月21日、住民投票条例案が議会で否決されました。その際に、市民への周知が足りないという声もありましたが、内容では、国籍によって住民投票の資格に差がないことが大きな問題となりました。
私は、住民投票の投票資格に国籍で差があることに反対です。国籍で差をつくらないことは、極めて重要であり、今求められている内容だと思います。
2019年の市議会議員選挙の際には「年齢・性別・国籍・性的指向・性自認・出自・障がいの有る無しにかかわらず、すべての人が個性と人権を尊重されるまちを」「自治基本条例に、人権侵害・差別に対する苦情処理のできる第三者機関の設置を」と訴えました。
こうした点を踏まえても、条例案反対の立場から大音量で威圧的な宣伝が宣伝カー等も使用して市役所や各駅で繰り返され、その中で「外国人が武蔵野市を占領する」とか「武蔵野市が乗っ取られる」など
事実に基づかないとしか思えない主張があったことには、大きな問題を感じています。
そこで以下を質問します。

1点目に、【ヘイトスピーチ・ヘイトクライムは何をもたらすか】に関して伺います。

まず、昨年放火事件のあった京都府のウトロ地区を紹介したいと思います。
先ごろ私はウトロを訪問しました。ウトロはカタカナです。京都府宇治市の伊勢田という駅のほど近くにあります。
戦争中に飛行場建設に従事した在日コリアンが住むことになり、戦後もその一部が住み続け、戦後40年経っても水道すらひかれていないという環境の中で、助け合って暮らしてきた歴史を今回知ることができました。劣悪な環境の改善や立ち退きへの抗議を居住者と支援者が協力して行い、現在はこうした危機を乗り越えて新しいまちづくりが始まっています。
ここで、昨年8月30日午後4時ごろ放火があり、倉庫や住宅合わせて7軒が焼ける被害となりました。
これがその写真です。(2枚示す)放火でこのように焼けています。真っ黒になっています。これは、別の角度からの写真です。(示す)こちらは、人が2人いた住宅で2階部分が相当焼け落ちています。(示す)ほか1軒も人が1人いたということでした。
人的な被害はありませんでしたが、あっても不思議ではなかったと言えるのではないでしょうか。加害者は、インターネットの動画を見て在日コリアンへの悪感情を募らせ放火したということです。ヘイトクライムが、放火という行為を起こすという事例を目の当たりにして、国レベルでもっとヘイトスピーチ・ヘイトクライムへの規制を強化していく必要があることを痛感しました。
この写真は、近くに完成した「ウトロ平和祈念館」の庭にあるかつての在日コリアンの住宅です。
差別と無関心の中で懸命に働き生きてきた人々に思いをはせ、差別で苦しむことのない社会にしていかなければと強く思いました。

質問は、2点です。
第1に、全国でヘイトスーチは繰り返されていますが、抑止のための法律があり、条例が実施されている地域もあります。
一方、国連の人権関係の条約は多数あり、こうした条約に関して、日本政府は条約を批准しても留保している条項があります。
たとえば、いわゆる人種差別撤廃条約を日本は批准していますが、この第4条のa.bが留保されているのです。

(原稿でなく参考) *留保
日本国は,あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約第4条(a)及び(b)の規定の適用に当たり,同条に「世界人権宣言に具現された原則及び次条に明示的に定める権利に十分な考慮を払って」と規定して  あることに留意し,日本国憲法の下における集会,結社及び表現の自由その他の権利の保障と抵触しない限度において,これらの規定に基づく義務を履行する。

留保しているのは「あらゆる人種的優越・憎悪に基づく思想の流布・暴力行為やその扇動・援助の提供も法律で処罰すべき違法行為」「団体や活動への参加が法律で処罰すべき違法行為」と書かれた部分です。これを留保するということに対し、政府の人権に対する消極的な姿勢を強く感じます。こうした規制をどのように見ているか、お聞かせいただきたいと思います。
第2に、表現の自由の中にヘイトスピーチは入らないと主張する意見があり、私もそのように考えています。
ここは、大変重要なところだと思います。
ヘイトスピーチと表現の関係をどう考えているか、市長の見解をお聞かせください。

2点目に、【パートナーシップ制度】に関して伺います。

4月1日に、市独自のパートナーシップ制度が開始されたことを高く評価しています。同性間だけでなく、異性間のパートナーシップ関係を自治体が認証するこの制度を必要な方に活用していただきたいと願っています。
第1に、届け出件数は、4月1日以降何件でしょうか。
第2に、公表できる内訳は、どのような内容でしょうか。
第3に、病院や不動産業への周知は、どのような状況か、お聞かせください。

3点目に、【戸籍・住民票をめぐる問題】に関して伺います。

第1に、第三者による戸籍や住民票の写しの不正取得によるさまざまな差が現在もあります。これをを抑止するため事前登録型の本人通知制度導入*(説明)を実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
第2に、現在世帯ごとの投票所入場券送付や給付金の支給が行われていますが、こうした方法が世帯内で最も力を持つ人への権限の集中につながりかねないので、個人ごとに変更する必要があると思っています。見解をお聞かせください。

4点目は、【「差別解消へ向けて歩みを進め、多様性を活かそう」という主張に関して】、それぞれの分野で伺います。

 差別については、前回2月の代表質問でふれましたが、自分では変更できない・もしくは変更することが困難な属性をさして、侮蔑的な表現を行う行為であると思います。

第1に、年齢です。
子どもの権利条例の制定に向け、検討が続けられていますが、委員長から、今や子どもがマイノリティーになっているとの指摘がありました。
子ども自身がアンケートで、平和に生きる権利・差別されない権利を訴えていることは、大きな希望であると思います。また、権利侵害に関して、オンブズパーソン制度を設置することも、家庭や学校と別の機関の設置として大きな意味があります。子どもが、他者の視線のない密室で、いじめや虐待にあっている事実があり、オンブズパーソンやアドボケータ―は必要であると思います。
子どもの周りの大人への意見表明権や、オンブズパーソン・アドボケータ―の必要性に関して見解をお聞かせください。

第2に、国籍・民族・人種です。
外国籍住民への差別は、根強くあると思います。
日本の言語や習慣・制度等をよく知らないのではという意見もありますがが、劣った人という見解も感じられます。こうした考えには、どのように向き合っていくべきでしょうか。
宣伝や街頭行動においてヘイト表現ととられないような手法も一部で行われていますが、ヘイトスピーチが直接的な暴力に向かうことがあり、人権の擁護は切実であると思います。また、仮放免の外国籍住民は、働くこともできず、健康保険も生活保護も認められていません。体を壊しても医療にもかかれない過酷な現実があります。これは、国の制度の問題ですが、ここにも制度改善が切実に求められていると思います。
外国籍住民への差別に反対し、人権を尊重するために、何を行っていくのか、お聞かせください。

第3に、性的指向・性自認です。
私は、性的マイノリティーの人権を擁護するとともに、性別役割分担や男女差別の存在にも注意を払うべきと考えています。子どもに恵まれるかそうでないか、子どもを産むことを選ぶかどうか、これらは、個人の生き方にも関わり、パートナー関係のカップルの経済的事情も関係があると思います。こうしたことで差別があってはなりません。また、ジェンダーによる差別も無くしていく必要があります。
こうした現実をどのように考え、今後何を進めていくか、ご見解をお聞かせください。

第4に、出自です。
婚外子差別に関しては、私は、2021年の9月議会で取り上げました。
法律による婚姻関係にないカップルの子どもは婚外子と呼ばれ、様々な領域で差別があります。戸籍の続柄欄に「女・男」と「長女・長男」と2種類の記載があることは婚外子への差別につながっていますが、戸籍に関する事務のなかで、人権状況をより具体的に把握するため、コンピュータの仕様を変更し、男女という件数と年代を把握することは可能だと思います。
武蔵野市でも戸籍システムの仕様変更を行うべきではないかと考えますので、見解をお聞かせください。

第5に、障がいの有る無しです。
障がいの有る無しで差別があるかと言えば、体験的には議員落選時に知的障がい者の外出を援助するガイドへルパーをしていた時のことがあげられます。図書館やバスの中、コンビニなどで、利用者が大きな声をあげた時、「親のしつけが悪い」「うるさい」などど言われることがあり、障がいへの無理解を痛感することがありました。保護者の方は、さらに多くの時間を障がいのある家族と共有しているのですから、社会的な視線に当惑することも多いと思います。また、障がいは、住まいを借りる時のハードルになっていることも実感する方は多いと思います。
障がい者への差別に関して、解消に向けて何に取り組むかをお尋ねします。これは、背景となっている問題への取り組みを進めてほしいとの願いからですが、具体的には2点をあげたいと思います。
武蔵野市で暮らし続けるためには、住みなれた街に、グループホームなどの増設が必要であり、現状で充足しているとはいえません。
また、保健センター増改築の際には、医師に相談ができる医療との連携機関がぜひとも必要であると思います。こうした住まいと医療との連携への見解をお聞かせください。

第6に、差別解消に向けた動きを進め、多様性のある社会をつくるために、基本的な要請事項を述べたいと思います。
私は、差別に対し即応できる仕組み、第三者機関による検証と救済を可能とする仕組み、これを保障する条例等の根拠、少なくともこの3点が必要であると考えていますがが、市長・教育長の見解をお尋ねします。

最後、大きな3番目に、【武蔵境駅南口3・4・27号線のあり方】について、質問します。

武蔵境駅南口の武蔵野プレイスの西側、隣接寺院との間にある道路拡幅計画の見直しに関しては、2022年度予算に「都市計画道路3・4・27号線の方向性の検討」が明記されました。この計画は現在休止中となっていますが、来年3月末で休止期間が終了となります。市民からは、ケヤキやイチョウの並木の保存、ひろい歩道の確保、墓地もある西側寺院の敷地削減への憂慮などの声がこれまで寄せられてきました。
私も、2017年6月議会と2020年12月議会と2度にわたって一般質問で取り上げてきました。現在は、青々とした樹木が心地よい影をつくり、歩行者や自転車利用者が安心できる、景観にも優れた道路となっています。したがって、今年度計上された予算が、景観の保全・歩行者や自転車利用者の安全などに配慮した計画となることを期待しています。
樹木の伐採に関しては、今多くの人が関心を寄せています。明治神宮外苑地区の再開発計画でも、1000本近い樹木が伐採されることに対し「イチョウ並木は守られるのか」「伐採についての情報が不足しているのではないか」などの批判や懸念が多数出されていると報道がありました。人やまちに潤いや安らぎをもたらす樹木には、適切な管理が必要ですが、保存を求める声も大きいことに心を寄せていくべきではないかと考えています。
以上を踏まえて、以下3点を質問いたします。

第1に、今年度予算にある「交通環境の変化」とは、どのような内容でしょうか。

第2に、現在、3・4・27号線の方向性の検討はどのように進んでいるのでしょうか。
いつ、どのような形で発表するのか、また、市民の声をどのように把握しているか、お聞かせください。

第3に、今後の方向性の検討では、何を重視するのか、お尋ねしたいと思います。
また、市民・利害関係者・議会への周知は、どのように進めるかについて、市長の見解をお聞かせください。

以上で、壇上での一般質問といたします。ご答弁をよろしくお願いいたします。

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