在日コリアンが住む京都府ウトロ地区をたずねて

参議院選挙も終盤となって、選挙活動も忙しいのですが、私は5月末に京都府のウトロ地区はをたずねましたので、訪問で感じたことを書き報告したいと思います。6月の市議会一般質問でも、ウトロの報告を壇上でお話しました。
ウトロは、京都府宇治市伊勢田駅からほど近くにあります。
カタカナ3文字でウトロと書きます。
私事ですが、大学卒業後は京都市の南の方に住んでいました。
ウトロは、戦争中、京都飛行場建設のため集まった在日コリアンの方の一部が、戦後も居住していました。
戦後40年経っても水道すらひかれていない中で、劣悪な環境の改善や立ち退きへの抗議を居住者と支援者が協力して行ってきたそうです。
現在は、こうした危機を乗り越えて新しいまちづくりへの挑戦が始まっています。
そして、今年「ウトロ平和祈念館」が民間の力でできたばかりです。
(金・土・日・月の10:00~16:00開館)
こうした場所で、昨年8月30日午後4時ごろ放火事件がおきました。
倉庫や住宅合わせて7軒が焼け、うち2軒は人がいたのです。1軒は2人・もう1軒は1人。人的被害はありませんでしたが、あっても不思議ではありませんでした。
放火の現場には、真っ黒になった倉庫や家屋、2階部分が相当焼けてしまった住宅などがありました。
事件の加害者は、インターネット上での在日コリアンに関する動画を見て、憎悪感情を募らせたと聞きました。
ヘイトクライムが、放火という行為につながった大変残念で恐ろしい事例でした。
こうした事例を前にして、国レベルでもっとへイトスピーチ・ヘイトクライムへの規制を強化していく必要があることを痛感しました。
今年できた「ウトロ平和祈念館」は、放火の現場から少し伊勢田の駅寄り。入館料は、一般300円・小学生100円です。庭には、かつて在日コリアンの住んだ小さな住宅が移築されています。
写真は、ウトロ平和祈念館で購入したパンフレットの表紙です。このパンフレットには、「生きること・つながること・差別しないこと・仲良くすること・あきらめないことに大切さが伝えられ、人々の心に希望と元気が芽生えるならば、1世たちとそれを受け継ぐ人々にとっては、この上ない喜びとなるだろう。」と書かれています。
私も、差別と無関心の中で懸命に働き生きてきた人に思いを寄せ、差別で苦しむことのない社会にしていかなければと強く思いました