水道事業民営化は武蔵野市にどのような影響をもたらすか?  ~12月議会 一般質問(12月4日)ご報告 第1回 

年末の報告となってすみません。何回かに分けて一般質問の報告します。

~ 12月議会 一般質問(12月4日)ご報告 第1回 ~

水道法改正法案は、水道事業に関して、自治体に施設の所有権を残しつつ、事業運営を民間に委ねるコンセッション方式を全国の自治体が導入することを促進するものです。しかし、国会内でも反対の声は強く、市民からも多くの疑問の声が寄せられています。私も、ライフラインの中で最重要項目である水道事業を利益追求の領域とすることには賛成できません。
武蔵野市の水道事業で言えば、現在は市の単独事業ですが、かねてから都営水道との一元化について協議がすすめられてきました。最近何人もの市民から「武蔵野市の水道事業は東京都と一元化して大丈夫なのか?東京都が水道事業を民営化したら、武蔵野市も影響を受けるのではないか」との心配の声を聞かせていただきました。
以下質疑の報告です。

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◆山本:水道法の改正についての市長の見解は。
⇒市長:コンセッション方式の導入については世界中に事例があり、水の安全や料金、災害への対応についての課題もあると認識している。改正は、日本に合ったものとする必要がある。

◆山本:都営水道との一元化の協議の進捗状況は。
⇒市長:本市は、第5期長期計画で一元化にかじを切り、平成26年1月に都に文書による申し入れをした。その後都と折衝を重ね、本年7月、基本的な認識について一致を確認した。しかしながら、まだ課題がある。

◆山本:一元化された場合の、料金体系・水質検査の項目とりわけ放射性物質の検査の内容・水のおいしさについては、どう変わると考えられるか。
⇒市長:料金体系は、東京都の料金体系が適用されるものと考える。
都の水質検査は、毎年度計画を策定しなければならないとされており、水道局ホームページで公表している。都の放射性物質検査は、大規模浄水場では原水を週1回水道水を毎日、小規模浄水場は原水水道水とも週1回、水道局水質センターで検査を行っている。水のおいしさについては、都は平成26年度から利根川荒川水系の原水を高度浄水処理をし、カルキ臭なども低減され、安全でおいしい水であると考えている。

◆山本:仮に東京都が民営化を今後選択した場合、本市としてはどのように対応するか。
⇒市長:仮定の質問には答弁を差し控える。東京都は都議会で「コンセッション自体が一定期間経営権を設定するところに、若干制度上難しいところがある」と答弁している。

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私は再質問で、
①東京都が水道事業を民営化した場合の可能性を排除しないで準備をする必要がある
②都営水道との一元化に向けた協議内容についての情報公開
を求めました。

残念ながら、この質疑の日、水道法改正案は参議院の委員会で強行採決されました。海外では水道事業を民営化したことで、料金の高騰や水質の悪化などの問題が起きた事例もあり、パリやベルリンでは、再度公営化したことが、報道されています。武蔵野の水道水はおいしいとよく言われます。このおいしい水、安全な水が、誰もが利用できる料金で提供されることを願い、今後とも注目していきます。