9月3日の一般質問原稿です

9月3日の一般質問原稿です。ごく一部壇上で表現を変えたところがあります。

遅くなりましたが、投稿します。

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山本ひとみです。通告に従い一般質問をいたします。
今回は、災害対策・暑さ対策の総点検を中心に大きく4項目質問します。

はじめに、災害対策・暑さ対策の総点検について、質問します。

7月に発生しました西日本豪雨では、広島・岡山・愛媛をはじめ広範囲な地域で甚大な被害をもたらしました。私の実家は岡山県倉敷市児島ですが、同じ倉敷市の真備町の堤防の決壊による被害はほんとうに痛ましく驚きました。私は、8月9日に帰省とあわせて真備町に災害復旧のボランティアに行きましたが、比較的大きなお宅の2階の窓ガラスが浸水によって割れていたり、1か月たっても街のあちこちに災害ゴミが多数積み上げられている状況に、被害の大きさをまざまざと感じました。また、避難を呼びかけられたのがちょうど深夜の時間帯であったために、障害があったり高齢であったりする住民が避難できなかった、そういう困難さも痛感しました。政府は、被災者や現場の自治体、さらには支援にあたっているボランティアなどの声をしっかり受け止めて、復旧に全力を尽くし、治水対策も含めた災害対策の検証を行っていただきたいと思っています。

また、この夏は35度を超える酷暑が長期にわたって続き、熱中症で亡くなる方も少なくありませんでした。とりわけ愛知県豊田市で小学校1年生の児童が校外学習時において重症の熱中症となったにもかかわらず、適切な対応がなされず死亡した事件は、社会に大きな衝撃を与えました。これまで児童生徒は、スポーツや勉強において暑さ寒さに耐えて、それを我慢して、根性を養うのが尊いことと受け取られる指導も一部にありましたが、こうした考え方や指導については多方面から批判が寄せられています。
一方で、市内の幼児・小学生のお子さんのいる保護者からは「気温35度とか湿度70%以上とか、そういう日の校庭で野球やサッカーの練習があるが大丈夫か」「子どもは顔を真っ赤にして練習していることもあるが熱中症対策はどうなっているか」「体調が悪くても子どもから練習を休みたいとは言いづらいのではないか」「母親としても、コーチや教師の方にお世話になっているのだから、いろいろ問いただすのもむずかしい」という声も聞きました。「体調管理は誰がどう行っているのか」と多くの保護者が心配しておられます。私の子どもの頃の暑さと昨今の暑さは異なっていて、災害レベルの暑さになる日も多くあります。子ともの健康・教師の健康・市民の健康を守る立場に立って、今一度暑さ対策を学校教育・スポーツ・社会保障などの領域で見直し、定義をしていくことが求められていると思います。

以上のような認識に立って、市で実施している災害対策・暑さ対策の総点検・見直しが必要と考え、以下質問いたします。

1点目に、災害対策の総点検について伺います。

以下5つの項目について、現状と課題をお尋ねします。

①都市型水害対策・ハザードマップ
武蔵野市には大型河川はありませんが、雨水の地面への浸透が極めて少ない地域であり、短期間の豪雨が下水の逆流などをもたらしています。改めて、地下室や地下のガレージがある住宅や施設・地下街への雨水の流入などに対して、どのような対策を考えているか、お尋ねします。
ハザードマップ・浸水予想区域図は、「平成12年9月に発生した東海豪雨が武蔵野市域に降った場合に、シミュレーションにより予測される浸水の区域と最大の水深を示したものになる」と記載があります。浸水の深さを濃い青色から黄色までの4段階で示していますが、時々市民の方から実際と異なっているのではないかという指摘をいただきます。この点での更新作業についても私は課題の一つと考えています。

②高層マンションの防災・避難対策
この課題は、2011年3・11の東日本大震災のあとの一般質問でも取り上げました。その後さらに高層マンションや何重ものロックシステムのある大型マンションが増えています。高層マンションでは、エレベーターが動かない事態になったとき高層階の住民の避難が困難ですが、それだけでなく、オートロックや各種の認証システムが救急車での搬送あど救助を困難にしている例もあると聞いています。日頃はプライバシーが守られていますが、停電したりIT機器が使えないときなどは大変です。こうした課題にどう対応するのか、方針をお尋ねしたいと思います。

③防災無線による広報
最近、たいへん多くの方から、防災無線が聞こえない、外に出ても聞き取りにくいとのご意見をいただきました。担当課に伺いますと、電話をかければ状況を説明してくれるダイヤル、電話応答サービスもあるということですが、それだけで本当にいいのでしょうか。防災無線そのものの改善などで聞こえやすくすることは可能なのか、それ以外に、音声端末を必要な方に配布するなど、他の手段も併用することも考えているのか、伺いたいと思います。

④災害時要援護者の登録人数と把握調査体制、プライバシー保護に対する考え方
この件も、家族に障害のある方から伺ったのですが、災害時の障害者や高齢者の援護は家族だけでは困難であり、お役所の人が全部やるということも不可能で、地域での支えあいによる支援が必要だと思いますが、個人情報の保護に不安を持つ方もおられます。例えば、災害時要援護者に登録するとき、部屋の間取りまで知らせなければいけない、そんなことまではやはり伝えたくないという方もいらっしゃいました。こうした点での必要があるのか、こうした点での考え方と方針を伺います。

⑤避難所になる体育館等のエアコン設置状況
小中学校の体育館は、災害時の避難所になります。先日の西日本に豪雨被害でも避難した方が、暑さの中で体力を奪われ苦しんでいる様子が報道され、対応を急いだ自治体があったことも承知しています。ふだん子どもたちが使うだけでなく、災害時のことも大切だと思っています。武蔵野市でも、災害時の避難所にエアコンがなければ、夏の暑さはとてもしのげません。ぜひ予算措置を急いでいただきたいと思います。

2点目に、暑さ対策の総点検について伺います。

第1に、学校教育における暑さ対策の考え方について、市長・教育長に見解を伺います。
第2に、体育・野外活動・クラブ活動に関する暑さ対策についての教育長の見解を伺います。
第3に、学校や公的な施設を貸して行われる児童生徒のスポーツについて、暑さ対策をどう把握し、どのように連携をとっているか、お聞かせいただきたいと思います。
これは、教師でない民間の方が、児童生徒のスポーツ指導に当たる場合の対応も確認したいと思ったからです。
第4に、公立小中学校の普通教室・特別教室のエアコン設置状況について現状と課題を伺います。
第5に、公立小中学校の登下校時の水筒持参については、全校に徹底されたのか、伺います。
第6に、生活保護世帯のエアコン設置についての考え方と方針を伺います。
この点については、今年7月になって厚生労働省が、熱中症対策のために、4月から生活保護受給を開始した世帯のうちで高齢者や子どもなど一定の要件を満たせば、5万円を上限にエアコンの購入費用の支給を認めることにしたとの報道がありました。本市では、どのように運用され、どういう課題があるのか、お尋ねしたいと思います。

2番目に、保育の質の確保に関する新たな取り組みについて、質問します。

3月末に続き6月末にも、市内の保育園で、多数の保育士の一斉退職と説明会の開催といった事例が起きました。そのことを疑問に思う人からメールなどで連絡があったのですが、事情を伺えば伺うほど、保育園の事業の重要性の認識やそこで働く保育士との信頼関係の構築などに、事業者は大きな課題があったのではと感じざるをえないできごとでした。
こうしたことが続いているのは、もちろん武蔵野市だけではありませんが、多くの保育園が公立保育園だったころとは異なり、保育園の数も増え、株式会社など多様な経営主体が保育園経営に参入しているという状況になっています。あった市の対応が必要とされていると感じています。新規に開設した園は労働組合があるところも多くないようであり、認可保育園でも父母会がないところも多数です。ですから、通常の労使交渉での処遇や保育内容の改善を話し合う場が十分ないことが、問題の底流にあると感じられてなりません。
待機児童対策を進めるていただくとともに、新規開設園の保育の内容が保育のガイドラインに沿ったものであるかを確認し、改善を図るため、以下質問します。

第1に、来年10月に開始されると報道されている幼児教育の無償化に伴い、保育園入園申し込み状況がどう変化するか、また、保育の質の確保については、どのように想定し、準備しているのでしょうか。
第2に、3月末及び6月末の保育士の一斉退職の事例に関して、その原因・市としての対応の内容・今後の方針について伺います。
第3に、保育の質を確保する新たな取り組みについて2点提案しますので、見解をお聞かせください。
①巡回指導にあたる職員の増員
②市役所内部に、専用のメールアドレスや手紙も含めて、保育士や保護者からの意見を受け止める機関を設置すること
これは、保育園入園に関わる相談とは別の担当を決めて行っていただきたいと思います。

3番目に、障害者の作業所通所後の居場所づくりの前進について、質問します。

私はこれまで青年期の障害者の平日の作業所通所後の居場所づくりの事業の必要性を一般質問等で繰り返し訴えてきました。当事者の保護者からも「移動支援サービスが使えないような、強度の行動障害がある知的障害者・自閉症の市民を対象に、作業所通所後に、軽度の運動などのプログラムを実施すること」などを内容とする要望が出されていました。
こうした声を受け、イブニングサービスとの名称で今年7月から12月までの予定で社会福祉法人武蔵野において、ここに通う方を対象とした事業が試行実施されています。速やかな対応であり、評価しています。事業を利用されている方の保護者からも、「本人も楽しみにしている」という評価の声を聞いています。
一方で、同じ事情を抱えているが他の事業所に通所している方は対象ではないことから、公平な事業をお願いしたい との声もあります。いずれにしても、当事者とそのご家族は本格実施を願っておられます。そこで、本格実施の環境を整備する上での課題を明らかにしたいと考え、以下質問いたします。

第1に、試行実施の内容と位置づけは、どのようなものでしょうか。
第2に、特定の施設に通っている方だけでなく、広く必要な方にも利用できる制度が望ましいと考えますが、そのためには何が課題となるのでしょうか、お聞かせください
第3に、試行実施の検証は、いつどのように行うのでしょうか、伺います。

4番目に、不登校の子どもへの対応の強化について、質問します。

武蔵野市においても、公立小中学校の児童生徒の不登校の子どもの数は増えています。教育機会確保法が2017年から施行されました。この法律は、民間のフリースクールや公立の教育支援センターなど、学校以外の教育機会の確保をするための施策を国と自治体の責務として、必要な財政支援を行うことを求めることも内容としています。
今年度は、不登校対策検討委員会が設置され、会議も開かれていることを承知しています。今後のとりくみの充実をおおいに期待しています。そこで、以下質問します。

第1に、不登校対策検討委員会の議論の進捗状況はどのようなものでしょうか。
第2に、この会議の運営に関して伺います。結論を出す前に、当事者の意見を聞く場を設けること、および市民から広くパブロックコメントを募ることを提案いたしますが、見解を伺います。
第3に、助成制度について伺います。
学校や公的機関を居場所にできないあるいは選ばない子どもさんがいらっしゃいます。しかし、フリースクールなどにかかる費用はかなりの金額だと聞いています。さらに、交通費や、給食があるわけではないので昼食のお金もかかるといった課題を聞いています。
ですので、費用を助成する仕組みが必要と考えますが、いかがでしょうか。
第4に、施設整備について伺います。武蔵野市には、現在のところ、不登校の子どもの恒常的な居場所となる学校ではない施設、学校に子どもを戻すことを目的にしない支援施設が、ありません。当事者のご家族からは要望する声を伺っています。私は、少し時間がかかっても本市にもこうした施設が必要と考えています。市長・教育長の見解をお聞かせください。

以上で壇上での質問を終わります。ご答弁をよろしくお願いいたします。

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