辺野古新基地建設強行反対の意見書の撤回を求める請願は、12月10日議会運営委員会で否決されました。→12月17日本会議でも賛成7人:反対18人で否決!

9月の武蔵野市議会で可決された「地方自治の尊重を政府に求める意見書」の撤回要請に関する請願が12月10日の議会運営委員会で審議され、賛成:2名、反対:5名で、否決されました。賛成したのは、自由民主市民クラブの議員だけです。(公明党は委員長なので採決に参加していません)もちろん私も反対しました。

審議は、請願者の我那覇真子さんと石垣市の市議会議員に対し、各委員が質問する形で進められました。なお、請願者との質疑は、議事録に残らない休憩中に行われており、今回も同様です。

9月議会で可決された陳情は=============================
・日本全土の0.6%の面積しかない沖縄に、在日米軍の専用施設の74%が集中している。
・米軍機の墜落や繰り返し発生する米兵の女性に対する暴行事件など、沖縄県民は米軍基地に苦しめられ続けられている。
・昨年の知事選挙や衆議院選挙の民意を踏みにじって、辺野古新基地建設を強行することは、地方自治の侵害といわざるを得ない。
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と主張し、政府に「辺野古新基地強行をせず、地方自治の尊重」を求めたものです。

これに対し、当日の請願者の説明は(請願の全文は12月10日付けブログにあります)以下のようなものでした。

・私は、武蔵野市議会の意見書の間違いを指摘するため来た。
・在日米軍の専用施設の74%が沖縄に集中しているのは間違いで、23%が正しい数字である。
・米兵の犯罪よりも、県民の犯罪発生率が高い。
・「新基地建設」でなく、辺野古移転というべき。

これに対して議員から質問が相次ぎました。

◆米軍の専用施設の面積
23%は、普段ほとんど米軍が利用していない演習場を含んだ面積を入れているが、専用施設で見れば74%が事実でないか。
→答)事実はそうだが、74%という数字を政治的に利用している。基地面積を大きく見せようとしている。

◆新基地建設
海を埋め立て、揚陸強襲艦が接岸できる護岸を作るなど、普天間飛行場にない軍港を作ろうとしており、新しい基地そのものではないか。
→答)機能の追加であり、家で言えばリフォームのようなもの。

私もいくつか質問しました。他の議員と重複しないのは以下の内容です。
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◆米兵の犯罪
日米地位協定によって、米軍の軍用機の墜落は地元自治体の現場検証もできず、米兵の強姦事件すら日本の裁判では裁かれないのは、日本人の犯罪の捜査と異なり、不当ではないか。
→答)米兵の犯罪のみ大きく報道するのは、不公平。アメリカの裁判のほうが人権を尊重している。

◆行政不服審査請求
翁長知事が前知事の辺野古新基地建設のための埋立承認取り消しをしたことに対し、沖縄防衛局は国土交通大臣に行政不服審査請求の執行停止を申し立てた。これは<国民が簡易迅速かつ公正な手続きの下で、裁判によらず行政に対し不服を申し立てることができる>行政不服審査の目的を否定するものであるが、どう考えるか。
→請願にないので、答えられないとして、回答なし。

◆沖縄の苦難の歴史
かつての琉球王国の時代、沖縄は日本・中国・朝鮮半島・東南アジアとの交易があった。その後、日本政府が琉球処分で武力で併合し、沖縄戦では多大な犠牲があった。こうしたことをどう思うか。
→答)琉球王国はなかった。沖縄は日本の藩のひとつのような存在だった。
今、沖縄は中国の脅威から日本を守るために役割を果たしている。

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米軍の犯罪について、日本人と比べ不公平との認識には、何度も起きた女性への強姦事件のことをよく知らないのだろうかと衝撃を受け、「琉球王朝はなかった」など歴史的事実の否定にも、驚きました。
何よりも、請願者の「意見書には事実に基づかないものがある」との主張は的を得ておらず、根拠に乏しいことが明らかになりました。
一方、基地の重圧の下で、沖縄のなかでもやむなく基地の条件付き容認を迫られる地域のあることにも、本土の私たちが背景を知っていくことが必要だと痛感しました。

今、安倍政権によって法治主義・立憲主義がないがしろにされ、地方自治が危機を迎えています。こうした中で、武蔵野市議会が、意見書を可決し政府に送付できたことを大変誇りに思います。
これからも自治体議員として地方自治の発展のために力を尽くします。

#12月17日が12月議会最終本会議です。この請願への反対討論をします。
→(12月17日追記)本会議でも請願に賛成7名:反対18名で否決されました。請願に賛成したのは、自由民主市民クラブの議員だけでした。公明党も請願に反対しました。私も反対討論に立ちました。
賛成討論1名、反対討論4名の模様は、市議会ホームページ(アーカイブ)でご覧いただけます。