保育の質の確保に関する新たな取り組みについて~9月議会一般質問ご報告第2回~

9月議会の一般質問の報告がとても遅れてすみません。どうぞご一読ください。

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3月末に続き6月末にも、市内の保育園で、多数の保育士の一斉退職と説明会の開催といった事例が起きました。事情を伺えば伺うほど、保育園の事業の重要性の認識やそこで働く保育士との信頼関係の構築などについて、事業者に大きな課題があったのではと感じざるをえませんでした。
保育士の一斉退職は、武蔵野市だけでは起きているのではありません。現在、武蔵野市でも、多くの保育園が公立保育園だったころとは異なり、保育園の数も増え、株式会社など多様な経営主体が保育園経営に参入しています。新規開設園は労働組合があるところも多くないようであり、認可保育園でも父母会がないところが多数です。私は、通常の労使交渉で処遇や保育内容の改善を話し合う場が十分ないことが、問題の底流にあると考えています。
待機児童対策を進めるとともに、新規開設園の保育内容が保育のガイドラインに沿ったものであるかを確認し、改善を図るため、質問しました。

◆山本:来年10月に開始されると報道されている幼児教育の無償化に伴い、保育園入園申し込み状況がどう変化するか、また、保育の質の確保については、どのように想定し準備しているか。
⇒市長:現状では、制度設計が不透明であるため、申し込みの変化を予測するのは難しい。利用者は拡充するのではないかと思われるが、ニーズが保育園と幼稚園のどちらに向かうかの予測はできかねる。保育の質については、保育内容は変わらないので、同様の質が担保できると考えている。

◆山本:3月末及び6月末の保育士の一斉退職の事例に関して、その原因・市としての対応の内容は。
⇒市長:原因について、共通して考えられるのは、保育事業者と保育施設、保護者、市とのコミュニケーションの不足が大きな要因と考えている。保育アドバイザーによる定期的な巡回だけでなく、突発的な訪問などを行い、状況把握に努めている。

◆山本:保育の質を確保する新たな取り組みを2点提案するが、見解は。
①巡回指導にあたる職員の増員。
②市役所内部に、専用のメールアドレスや手紙も含めて、保育士や保護者からの意見を受け止める機関を設置すること。入園に関わる相談とは別の担当で。
⇒市長:①の人員体制の見直しについては、必要に応じて検討したい。②現在でも、直接子ども育成課の電話窓口で、相談・意見をいただいているので、機関設置をしないでも、意見の受け止めの場は確保できている。

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以上が、質疑の報告です。
広域的な状況で言えば、依然として都市部を中心に待機児童対策の推進は重要な課題です。さらに、保育の分野での規制緩和・民間の参入に対して、今こそ見直しを行い、子どもたちが安心して過ごせる保育環境をつくるよう政府に求めたいと思います。