非婚(法律上の結婚をしていない)の母子・父子世帯の保育料算定に<みなし寡婦控除>を適用するための条例改正案が提案されました!

2月24日から始まる市議会定例会で、非婚の母子・父子世帯の保育料算定にあたり、地方税法に規定する寡婦または寡夫と同様の扱いをするための条例改正案が、行政から提案されました。

私は、この件で3年前の2013年3月議会で、保育料算定に関わる寡婦控除のみなし適用を求める一般質問を行いました。

少し時間がかかりましたが、行政が条例改正を提案したことを評価し、これまで運動を続けてこられた当事者のご努力に感謝申し上げます。

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寡婦(かふ)控除について説明をします。

相当古いことばですが、寡婦とは夫のいない婦人という意味で、税法上の寡婦というのは、法律上の結婚をして死別したり、離婚している女性とされています。ですので、法律婚をせず、あるいは、事情で結婚できず、子どもを産み育てる女性、つまり非婚の母親には、所得税法の定める寡婦控除が適用されないのです。その結果、所得税・住民税・公営住宅入居資格や家賃・保育料の算定で、同じ母子家庭でも、非婚の母親は課税所得が高く設定されています。非婚の母親は母子家庭の中でも所得水準が低い傾向であるにもかかわらず、制度上不利益をこうむっています。

これは、法律婚をしないと不利益があるよ、ということです。

こうした不公正に対し、2013年1月に日本弁護士連合会が、当事者の人権救済の申し立てを受け、非婚の母親に寡婦控除をみなし適用することを、総務大臣や都知事にあて要望書を提出しました。

2013年当時でも、保育料算定に関する寡婦控除のみなし適用は、沖縄県の複数の自治体・岡山市・千葉市・沼津市・松山市・高知市・高松市・朝霞市などで実施されていました。

私は、一人親家庭の中でも困難な環境にある非婚の家庭への支援の強化・みなし寡婦控除の適用を訴え、当事者と担当課との話し合いにも同席しました。

それから3年。保育料での適用を市が提案したことを心からうれしく思います。

法律上の結婚をするかしないかで、経済的な格差をもたらす現在の税制は改正する必要があることは明らかです。

これからも、すべての子どもの人権が尊重される社会をめざして、歩みを続けます。