吉祥寺エリアの待機児解消は?保育の質の確保の取り組みは?兄弟ポイントはどうなる?~9月議会一般質問ご報告第1回~

9月5日の一般質問の<保育園待機児ゼロと保育の質の確保に関する政策について>の質疑を報告します。今回の定例会ほど、保育の質に関わる議論が交わされたことはないと感じています。保育の質とは、確保・向上の具体策は何か、私なりの考えを市長に提案しました。皆さまのご意見をお待ちしています。

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働く母親が増える中で、都市部における保育園の不足が大きな社会問題となっている。武蔵野市でも、認可保育園の増設と保育の質の確保が緊急の課題となっている。

(1)待機児ゼロをめざす取り組みについて

①待機児ゼロをめざす取り組みに関し、来年4月時点ではどの程度充足すると考えているか。とりわけ課題となっている吉祥寺エリアでの保育園増設は、来年4月の需要を満たすと考えているか。

→市長:平成30年4月の待機児解消をめざし、認可保育所等の整備を行っている。平成29年4月に向けた対策としては、認可保育所・認証保育所等の開設により、200名をこえる定員の確保を予定している。吉祥寺地区では待機児は、依然として多い状況である。29年4月に向けて、認可保育所・認証保育所の整備予定であるが、昨年の状況から判断すると、一定程度の待機児が発生する可能性もある。引き続き、保育施設整備を行っていきたい。

②新規認可園の開設にあたり、子ども子育て支援新制度実施以降の、審査件数・都への申請までの期間を伺う。

→市長:新制度は、平成27年4月からスタートしたが、認可保育園の審査件数は、27年度が2件、28年度が2件。都への申請までの期間は、順調に審査などが進めば、最短で2ヶ月程度と見込んでいる。

③新しい園の建設で周辺住民の方の理解を得る努力はどのように行っているかを前回の一般質問でもうかがったが、現状では課題があると考える。

民間保育園開設にあたっての近隣説明・説明会開催のルールの策定を行うべきと考えるがどうか。

→市長:市としては、事前に近隣の理解を求めるよう指導している。予定地の立地条件等で、理解を得る方法は異なるため、近隣説明や説明会開催は一律には難しい。しかし、手法については事前に事業予定者と十分に協議を行い、進めていく必要がある。

開園後のサポートは、どのような実情か。近隣との交流にあたってもきめ細かいサポートが必要と考えるが、ルール化すべきではないか。

→市長:保育アドバイザーの巡回相談など、バックアップ体制を十分に確保するほか、開設前に事業者向けの研修会を実施し、事業者の代表や施設長などの出席のもと、武蔵野市の保育の概要や保育のガイドライン、施設長としての心構えなど講習を受けてもらう予定である。

(2)保育の質をめぐる問題について

 

①小規模認可保育園・認証保育所も含め、武蔵野市の保育園の保育の質の確保について現状の評価と課題を伺う。

→市長:新規開設する園については、市と協定を結び、その中で保育のガイドラインの考えを尊重し、実現に協力することとしている。各園の実態については、園長経験者による保育アドバイザーが巡回し、園からの相談・状況把握とともに指導を行っている。保育のガイドライン遵守にあたり、公立・民間含め、すべての保育所の職員からなる保育部会を年4回開催し、保育の質の維持向上にむけ検討を行っている。

②保育園によってはこれまでの公立保育園のような広さの園庭を確保できない例もある。保育園の近くの公園を子どもが遊びやすい草地等の区域を設ける・拡充するなどで、屋外での安全な遊び場の選択肢を増やすことを検討していただきたいが、どうか。

→市長:保育園開設に当たって十分に園庭を確保できない保育所の開設が増えてきており、園庭確保を基本的には進めつつ、代替園庭の確保に向けた支援を今後も推進していきたい。

(3)来年度の入所に関わる課題について

①幼稚園での預かり保育の現状と課題について伺う。

→市長:今年度は試行的に、武蔵野東第一幼稚園・第二幼稚園において通年の預かり保育を実施していただいた。各園5名合計10名の枠で、保育園の2次利用調整後の利用者は5名である。今後は、他の幼稚園での実施のため、施設側への補助金や利用者の負担軽減について、研究検討していきたい。

②入所指数変更は来年度考えているか。いわゆる兄弟ポイントをなくしたことによって兄弟別園が大きな課題となっているが、解消については、どのような考えか。

→市長:兄弟が違う園に通うと保護者の負担増になることは認識している。市としても、現状がベストとは考えていないので、まずは待機児解消をめざし、解消のめどがある程度ついたときに、兄弟ポイントについてあらためて見直しをし、検討していきたい。