新年にあたって ~ご挨拶と2020年実現できたこと~

   2021年が始まりました。2020年は、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るい、年の暮れになってもますます安心できない状況となりました。格差・差別・貧困は明らかに増え、困窮する人の中で若い世代や女性が多くなって、仕事や住まいを奪われていることが、私の実体験としても報道によっても、明らかになっています。困窮し食材を買いに行けなくなって、ご飯に塩やみそをつけている方もいらっしゃいました。

 一方、国政では総理大臣が交替しましたが、新総理が「自助・共助・公助」と自助を強調した姿勢に、現状と向きあっているといえるのか、大きな疑問を持っています。武蔵野市は、新型コロナウイルス感染症対策本部があり、会議を開き、対応を続けていています。

  私は、無所属市民派の市議会議員です。2020年度は文教委員会(副委員長)・都市計画審議会に所属し、会派に属さない議員として、市議会で活動しています。また、新型コロナ災害緊急アクションに加わり、交渉や学習会など取り組みを続けています。2020年夏は、かつての中島飛行機製作所への空襲の被害にあった方から、小中学生やそのご家族等と一緒に体験を聞く機会を持つことができました。

  日本国憲法の前文に「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」という文があります。食べられない、殴られる、殺される、行きたいところに行けない、言いたいことを言えない・・・・こんな状態を変えないといけない。人としての権利を的確に表現していると思っています。

  今年も、誰もが排除されず一人一人が人権を尊重されて生きていくことのできる社会をめざして、一歩ずつ歩んでいきまたいと思います。皆さまの気になること、ご意見・ご要望・ご質問をお寄せくださいますようお願いいたします。

 

【 市民の声が届いています ~2020年で実現できたこと~ 】

新型コロナウイルス対応の拡充

武蔵野市は、PCR検査拡充、中小企業者支援など、さまざまな面で支援を実施しています。私は、PCR検査拡充・電話相談体制整備・基金の活用・路上生活者や障がいがある世帯など、困難を抱える世帯への情報提供や支援の強化・介護職看護職リスタート事業を常勤職以外へ拡充することなど訴えてきました。市は、事業者向け電話相談「ほっとらいん」(8月3日~1月29日)を整備しました。また、障がい者への広報紙「つながり」では、感染した場合の対応やPCR検査のできる医療機関の情報を提供しており、当事者の要望が前進しました。

◆保育園待機児童ゼロが実現

保育園の待機児童ゼロが、2020年4月1日実現しました。私も子どもが保育園でお世話になり、市議会議員として一貫して訴えてきました。また、2017年の市長選挙の大切な公約でした。2020年も、吉祥寺南町など市内各地で保育園開園が進んでいます。今後、質の向上をはじめ、兄弟姉妹が同じ園・障がい児保育の拡充など、希望が実現できる保育園であることを期待し、要望を続けていきます。

◆不登校の中学生の居場所「クレスコーレ」開設

2020年7月に、御殿山で開設されました。現在、中学生10名が登録となっています。不登校の児童生徒は、2015年度の小学生29名中学生39名に比べ、2019年度では小学生48名中学生87名と大きく増えています。教育機会確保法にのっとり、学校での安心できる居場所、小学校低学年の学校以外の居場所、経済的支援の開始を引き続き要望していきたいと思います。

◆パートナーシップ制度は条例改正で実現の方向が示される

男女平等の推進に関する条例を改定する形でパートナーシップ制度をつくる方向が、中間のまとめで出されました。同性でも異性でも、お互いを人生のパートナーとして、日常生活において、互いに協力し、扶助し合うことを約束した二人が安心して暮らし続けられること目的としています。この制度も2017年市長選挙の公約であり、性の多様性に対応し尊重する制度を自治体でつくる試みです。同性間の関係だけでなく、法的な関係をとらない異性間の関係についても適用されることも大いに評価でき、私は条例での制定を訴えてきたので歓迎しています。この方向が形になるよう全力を尽くします。

◆子どもの医療費無償化が15歳から18歳に引き上げられました

これまで、第6期長期計画や子どもプランで審議・検討されてきた年齢の引き上げは、2020年12月議会で賛成15人、反対10人の賛成多数で可決されました。2017年市長選挙でも公約になっており、私は賛成討論をしました。来年度から入院のみ、その翌年度からは通院と3年かけて実施されるこの政策は、子育て世帯への支援のみならず、税収のすそ野を広げ、まちの将来にも貢献することになると思います。