吉祥寺駅近くの土地取引とまちづくりの問題・多文化共生社会・生活困窮者支援・生物多様性を促す取り組みについて  ~12月議会一般質問の内容~

吉祥寺駅近くの土地取引とまちづくりの問題・多文化共生社会・生活困窮者支援・生物多様性を促す取り組みについて ~12月議会一般質問の内容~

1.吉祥寺駅北口の土地売買契約とまちづくりのあり方について

 吉祥寺東部地区のまちづくりについては、本町コミセンのバリアフリー化・消防団詰め所の増築・明るく見通しのよい道路への改修・通勤や買い物等で利用する駐輪場整備などの課題を抱えている。
 昨年、市は吉祥寺図書館東側の27番街区に土地を購入し、18番街区の暫定駐輪場を隣地所有者に売却した。この土地取引は、吉祥寺の課題解決・まちづくりの前進にとって、欠かすことのできない重要な取引だったと考える。
 しかし、こうした土地取引に対し、市に損害を与えたとして損害賠償の裁判が提起され、街にもこの件でのポスターが貼りだされ、チラシの配布もあった。私は、この土地取引が市に損害を与えたとは考えておらず、吉祥寺東部地区のまちづくりの前進にとって必要な事業と思っている。
 以上の状況をふまえ、以下質問する。

(1)土地売買の目的

①吉祥寺東部地域に関して、どのようなまちを構想するか、市長の見解を伺う。
②市が購入した27番街区土地の購入に至る経過と今後の利用目的を伺う。
③市が隣地所有者に売却した18番街区土地が長年暫定駐輪場だった経過について伺う。

(2)売買価格に関する情報公開

①土地購入は、「議会の議決に付すべき契約及び財産の取得または処分に関する条例」で議会の議決が必要な案件が規定されている。
 それ以外の土地購入価格の公開について、その経過と内容を伺う。
②過去3年間、代替地・諸用地・公共施設や道路の建設用地などの購入は、年間それぞれ何件で、今どのような状態か。
③過去3年間、土地開発公社の購入した土地に対する利子支払いの年間経費はどのようになっているか。

(3)金額の決定と公表

①単体での正常価格と実際に売る限定価格は、どのような形で決められるか。
②今回18番街区暫定駐輪場の売却価格は1坪1078万円であるが、この点をどのように広報しているか。

2.多文化共生社会の実現について

 多文化共生社会の実現は、武蔵野市の第6期長期計画でも掲げられている重要な課題である。
 私は、住民投票制度が外国籍の住民も含め、国籍によって差別されない制度となることが重要な内容であると考えている。
 ヘイトスピーチ・ヘイトクライムを許さない条例も、実効性のある形で武蔵野市でも制定されることを願っている。
 こうした観点から、現在策定中の「武蔵野市多文化共生推進プラン(仮称)」については、私は関心を持ち、このプランの中に差別や偏見を許さないという点が盛り込まれることを期待している。
 さる11月15日に開催された懇談会を傍聴したが、配布資料も質疑の内容も、中身の濃い充実した内容と評価している。
 こうした点をふまえ、以下質問をする。

(1)多文化共生社会の実現

①多文化共生社会の実現に向けた取り組みの実情を伺う
②外国籍市民の人数と対応窓口・主に寄せられている質問・意見の内容を伺う。
③出されている中間のまとめにも「偏見や差別の解消に向けた取り組み」が記載されているが、偏見や差別と思われる事例には、行政としてはどのように対応していくか。
 また、市民一人ひとりへの働きかけはどのように考えているか伺う。
④やさしい日本語や多言語の利用に関する行政の取り組みを伺う。
⑤日本語を母語としない児童生徒に対して、公立学校での体育・トイレ・給食などの対応はどのような状態か。

(2)いわゆる入管法に基づく仮放免の外国人

①仮放免の外国人は、就職もできず、生活保護など社会保障も受けられない無権利の劣悪な状況に置かれている。
 こうした状況に関し、市長・教育長の見解を伺う。
②武蔵野市では、こうした状況の仮放免の外国人は、把握しているか。
③相談があった場合どのように対応するか伺う。

3.円安・物価高の状況の中で生活困窮者支援の前進について

 円安・物価高騰が続き、新型コロナウイルス感染症の第8波も進行している。
 新型コロナ災害が収束しない中で、仕事の減少や病気による収入減に直面する世帯もある。
 また、物価高への対応を求める声を、私もいくつも伺った。
 当面するいくつかの課題に関し、以下質問する。

(1)インボイス制度

 消費税にかかわるインボイス制度が来年10月1日から実施されることになり、中小零細業者やフリーランスの事業者を中心に、心配や反対の声が出されている。
①この制度が実施された場合に、市内事業者にどのような影響があると考えているか、市長の見解を伺う。
②制度実施に関して、事業者の声を政府に伝えていただきたいが、どうか。

(2)生活困窮者支援

①武蔵野市電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金に関しては、すでに通知が送られているが、非課税世帯及び家計急変世帯の給付される世帯の見込み数を伺う。
 家計急変世帯を把握し申し込みを促すための方法について伺う。
②市民社会福祉協議会が窓口となっている新型コロナウイルス感染症に関する特例貸付は、9月末で終了し、福祉公社が窓口となっている住居確保給付金・自立支援金事業のコロナ特例もそれぞれ今年12月までで終了することになっている。コロナ特例の重要な資金貸付や給付が終わることになるが、貸付の全件数は何件になっており、返済が困難な事例は何件とみているか、見解を伺う。
また、返済困難な方に対して、どのような対応をする考えか、市長の見解を伺う。
③ひとり親家庭の場合、法的に離婚が成立している場合と離婚が成立していない場合の双方がある。離婚が成立していないが、ひとり親として子どもを養育している方から相談を受けた。
 本市でも、法的にひとり親でない家庭に対しては、法的にひとり親である家庭と同様の支援がある場合とそうでない場合の両方がある。この支援を受けられないケースにどのような内容の対応があり、その理由は何によるものかを伺う。また、今後、法的にひとり親となっていない、離婚が成立していない家庭でも、ひとり親の場合は支援を行うべきと考えるが、見解を伺う。

(3)生活保護

①生活保護利用者にかかわる扶養照会について、過去3年間、利用者本人の意思確認の方法と扶養照会の中で扶養につながった件数を伺う。
②生活保護利用者のうち、過去3年間、無料低額宿泊所にまず入居した人は何人で、全体の何%か。
滞在月数は何か月になるか。

4.境山野緑地の生物多様性を促す取り組みについて

 武蔵野市では、都心に近い立地でありながら、まちのあちこちに公園があり緑の木陰を楽しむことができ、散策する人・訪れる人に、憩いと安らぎをもたらし、まちの魅力をつくっている。
 境4丁目の境山野緑地も、重要な地域となっており、境山野緑地の南側にあり独歩の森と呼ばれている地域の一部に、今年3月、ナラ枯れへの対応として樹木を何本か伐採し、ドングリをまく作業を多くの市民が行った。
 こうした状況をふまえ、以下質問する。

①先日、その後のようすを見学する会があったが、まいたドングリの約4割が芽を出し樹木として育っており、昆虫や鳥・爬虫類など、多様な生き物の姿も見られていることが分かった。
 この、ドングリまき後の現状・生物多様性に与える影響に関して、伺う。
②今後、今回ナラ枯れ対応をしなかった地域に関しては、樹木更新の作業をどのように行う考えか伺う。