すべての子どもたちに、学ぶ場所・居場所の確保を!不登校対策の前進のために ~2月23日一般質問ご報告~

2月23日の一般質問で、不登校の子どもへの教育機会確保法施行に伴う新たな対応について質問しました。

以下質疑概要をご報告します。

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文部科学省によれば、2015年度不登校を理由に年間30日以上欠席した児童生徒は、全国で約12万6,000人であり、全体に占める割合は1.26%で過去最高となった。かつて不登校は問題行動で、学校で学ぶことを促さなければならないとされた時期もあったが、現在の法律ではこうした考えは退けられている。その表れが2017年から施行された「教育機会確保法」である。不登校の児童生徒が通いやすい民間のフリースクールや公立の教育支援センターなど、学校以外の教育機会を確保する施策を国と自治体の責務とし、必要な財政支援に努めるよう求めている。学校復帰が前提であったこれまでの不登校対策は法律の上で転換されたといえる。

武蔵野市においても、お子さんが不登校であり、適切な学びの場を得られない例を、私は昨年来、何件か伺っている。フリースクールという選択肢もあるが、金銭的負担があり、すべての世帯で選べるわけではない。学校だけでなく多様な学びの場を保障するという視点にたち、すべての子どもたちの学ぶ権利・居場所の確保を願い、以下質問する。

◆山本:武蔵野市の公立小中学校の子どもの不登校に関して、不登校の定義と小・中学校それぞれの過去五年間の人数の推移は。

→教育長:文部科学省による不登校の定義は、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が投稿しないあるいはしたくともできない状況にある者、これを不登校とするということである。

小学校は、平成24年度:7名、平成25年度:17名、平成26年度:22名、平成27年度:29名、平成28年度:27名

中学校は、平成24年度:30名、平成25年度:41名、平成26年度:42名、平成27年度:39名、平成28年度:45名

である。

◆山本:不登校という状態を、どのようにとらえているか。また、不登校の子どもへの対応方針は。

→市 長:不登校の状態は、いわゆる問題行動ではなく、本人や家族の意思を尊重し、個々の悩み等に寄り添った支援を行うことが重要である。

→教育長:不登校の児童生徒への対応方針として、学校や関係機関は家庭と連携し、不登校の児童生徒に寄り添い、共感的理解と受容の姿勢で支援していくことが重要であると考えている。具体的には、学校による組織的な対応、スクールカウンセラーや市の派遣相談員による相談対応、スクールソーシャルワーカーの派遣、適応指導教室「チャレンジルーム」における指導支援など、一人一人に寄り添った対応に努めている。

◆「教育機会確保法」成立・施行に伴い、武蔵野市では、どのようにこの法の趣旨を具体化していく考えか、教育長の見解は。

→教育長:市としては、平成30年度に、庁内関係課長・小中学校長・チャレンジルーム長などで構成する委員会を設置して、学識経験者の助言も得ながら、不登校対策の総合的検討を行う予定である。学校における不登校傾向の早期発見と早期対応の仕組みづくり、適応指導教室「チャレンジルーム」の運営のあり方、スクールソーシャルワーカーの今後の配置体制、家庭への支援、関係するNPO等との連携のあり方などについて、検討していきたい。

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以上のように、ここ数年、不登校の子どもは増えています。

武蔵野市は、早期に教育機会確保法の趣旨を活かして、不登校の子どもの学習の場・居場所の確保に努めていただきたいと思います。

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