2月23日の一般質問原稿です

2月23日の一般質問の原稿全文貼り付けます。

当日は、ごくわずか表現をかえたところもあります。

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山本ひとみです。通告に従いまして、大きく4つのテーマで質問をいたします。

大きな1番目に、原発事故から7年を経て、原発ゼロへ向けた自治体の取り組みについて質問します。

甚大な被害をもたらした東日本大震災・福島第一原発事故から、来月で7年を迎えます。原発事故は収束しておらず、被災した住民の生活上の困難も多くは解決していません。一方、原発の全電源に閉める割合は2016年度で2%にとどまっており、原発がかつてのように稼働しなくても電力供給に問題がないことが、多くの国民に明らかになっています。しかし、政府は、原発の再稼働を進めようとしており、再生可能エネルギーの促進には消極的な姿勢を変えていません。

私は、今稼働している原発を即時停止し、政府を挙げて廃炉に向けた研究・作業を進めること、原発事故による避難者の住宅・生活・健康などに責任を持つ法整備が必要と考えています。

原発事故を風化させてはなりません。市長の施政方針にも、「ひとたび事故が起きた時の被害の甚大さを考えてみても、原発に頼らない社会を実現しなければなりません。」とありますが、改めて、原発事故の教訓を自治体がどのように具体化していくのか、問われていると考えています。以下3点質問します。

1点目に、原発事故を教訓化することについて市長の見解を伺います。また、原発に依存しない社会・原発ゼロに向けた市の取り組みについてお聞かせください。

2点目に、大規模な原発事故が起きた際の市の防災対策に関して伺います。東京周辺では、老朽化している東海第2原発や浜岡原発があります。原発事故はあってはならないことですが、万が一起きた時の対策も整えておく必要があります。なかでも、事故後早期に服用すれば放射性ヨウ素の甲状腺への蓄積を防ぐことができる安定ヨウ素剤の市民への事前配布については、どのように考えているかお聞かせください。

3点目に、原発事故による避難者への支援に関して伺います。市長の施政方針のの中で、本市で暮らす避難者の記述もあり、大変心強く感じました。昨年3月末で自主避難者への住宅支援が打ち切られ、全国的に見れば、母子避難した世帯や非正規雇用の世帯などでは、生活困窮を加速する結果となりました。帰還を選べない方が多数いるのが現実です。強制避難地域からの避難者も含めて、市は今後の避難者支援策をどのように考えているのか、お聞かせください。

2番目に、武蔵野市の物品調達・事業委託契約の方法と市内業者育成について質問します。

政府は、TPPへの参加など保護主義でなくグローバルな交易が消費者にとって利益になると説明してきました。これに対して、武蔵野市議会では、2016年12月議会で、「地域経済の振興と地方自治の尊重を阻む懸念のある国際協定の締結等に対し、慎重であることを求める意見書」が賛成多数で可決されています。TPP環太平洋経済連携協定の発効が、地域の産業振興や地方自治に影響を及ぼすのではないかと、本市議会の多くの議員が慎重であるべきことを求めたのです。私も、自由貿易をさらに拡大して、グローバルな経済活動を進める大企業・多国籍企業が、地元に根差した中小零細企業や商店を駆逐して、市場支配力を大きくしていくことは、果たして日本の経済にとって重要なのかを再検討すべきと考えています。

この問題意識から以下質問します。

1点目に、武蔵野市の実施している物品調達・事業委託契約に関して、考え方・手法・市内業者の割合(過去5年間の件数及び契約額それぞれにおける割合)・評価を伺います。

市内業者の育成に関し、市の考えと、今後の方針を伺います。

2点目に、TPPが発効した場合の影響及び対応をどのように考えているか、お聞かせください。

3点目に、個人経営の書店の役割と図書購入にかかわる調達手法の見直しに関して伺います。

2月2日、市内の業者から行政と市議会議員に図書の調達方法に関する要望が寄せられました。個人経営の書店の経営状況は全国的にも本市においても、大変厳しい状況であることを伺いました。なんと個人経営の書店は多くが廃業し現在は市内で2店舗という状況です。図書館の一般図書は特命随意契約・雑誌購入は入札で調達されていると伺っています。大手業者が強みを発揮しているとのことです。

武蔵野市では、例えば給食食材の調達では、市内産野菜を積極的に購入しています。1円でも安いものを買うという考えではありません。もちろん、多くの業種の商店や事業所がある中で、書店という特定の業種だけ調達方法を見直すことが公平、平等な方法といえるのかとの意見も予想され、さまざまな面を十分に考えなければならないと思います。しかし、個人経営の書店が経営困難になることが、地域にとってどのような影響をもたらすかも、行政として検討する必要があるのではないでしょうか。

私は、書店は、子どもの読書習慣の涵養・地域での雇用・コミュニティ活動への参加・地域の作家など人材との連携などで、地域に貢献している一つの社会資源ではないかと感じています。先日、2011年当時の片山善博総務大臣の講演録をいただき読んでみました。片山さんは鳥取県知事を2期務めた方ですが、講演の中では「鳥取県立図書館は入札をしていない。・・・・地産地消とよく言いますが、それは決して農産物や伝統工芸品だけではなく、地域のいろいろな仕事にまで及ぶものであるべきです。」と発言されています。

そこでまず、書店の地域の文化振興における役割・書店と図書館や学校図書室の連携について、市長・教育長に認識をお尋ねします。

また、図書購入の調達に関して現状・今後の対応の方針をお聞かせください。

3番目に、民間企業による開発行為に関する市の対応について質問します。

武蔵野市では、都市化が進むとともに、マンション建設をはじめとする開発行為に関して事業者と住民との軋轢や紛争が繰り返されてきました。現在では、開発行為に関してまちづくり条例に基づき公開の場での事業者と住民の話し合いが保障されています。このことは大いに評価できることと考えています。一方、昨年、民間企業による住宅系ではない建築計画に関して、住民の方からいくつかの課題を指摘されました。すでに工事が始まっている案件ですが、いくつか教訓とし、制度や運用などの見直しの必要も感じましたので、武蔵野市が、さらに住環境保全を推進し住民への説明責任を果たすため、以下質問します。

1点目に、西久保1丁目に現在建設中の大手民間企業の本社ビル建設計画に関して伺います。

このビル建設計画についてはは、まちづくり条例に基づき調整会が重ねられてきました。すぐ西側は、低層の戸建て住宅中心の町並みとなっています。近隣住民は、日照確保・通風・緑化推進・圧迫感軽減・プライバシー保護・周辺環境と調和した外観デザインなどの点で、具体的な要望を提案し、話し合いを重ねて来られました。歩み寄りに至った点もありましたが、住民からは、「事業者に一方的に押し切られた」と大きな不満があるとの声も聴いています。とりわけ、三鷹通り沿いをミラーガラスのような全面ガラス貼りとし壁面いっぱいに大きな企業のシンボルマークを重ねる外観デザインに関しては、最後の調整会でも大きな課題というか争点になりました。いろいろな見方はあると思いますが、私もデザインを見て周辺環境とそぐわないのではと感じました。市長にも先ほどデザインの図面をお渡ししました。しかし、事業者は「京都や奈良だったらまだ理解できます。世界遺産だとか、そういうレベルの話ではないわけですね。」と発言しました。これは、景観保全の意義をきわめて狭く恣意的に解釈しているとは言えないのでしょうか。

そこで質問します。

第1に、事業者の景観への発言についての市長の評価・感想を伺います。

第2に、西久保1丁目をはじめ、境・吉祥寺南町など市内に何か所かある住宅系の用途地域と商業系の用途地域が接している地域での、住環境を守るための方針をどのように考えているか、伺います。こうした地域では、今後もビルの建て替え等によって、本件のような例が起きることを住民は懸念しています。

第3に、景観ガイドラインの見直しを行い、より実効性を高める対応を検討していただきたいと考えますが、市長の見解をお聞かせください。

2点目に、緑町の民間企業の事務所移設計画に関して以下3点を伺います。

この事務所移設計画は、これまで駐車場だった所に、延床面積1052.89㎡、南北45.5m東西11.7mの事務所を移設するものであり、隣接したマンションやアパートの住民から、日照阻害・圧迫感・プライバシー保護などの要望が事業者に寄せられ、市にも直接問い合わせや要望が届けられました。計画された建物の高さが2階建てだったため、まちづくり条例の対象とならず、建築審査会で、計画が許可されたことに対し、近隣住民が許可という処分の取り消しを求め、建築審査会に請求しました。処分取り消しはしないとの結論が出され、現在工事が進んでいます。

私は、この案件で、もしまちづくり条例に基づく調整会を開催できていれば、よりスムーズな意見交換が可能だったとのではないかと感じられました。まちづくり条例が適用される要件は、高さ10メートルを超える建築物、床面積の合計が500㎡以上の集客施設などいくつかあり、この案件では延べ床面積は広く、近隣の集合住宅と近接していますが、対象となりませんでした。専門的な第3者の立会いの下で、処分取り消しのみならず、計画をめぐるさまざまな疑問や課題をオープンに議論する受け皿がなかったことは、残念に思います。

そこで質問します。

第1に、今後、まちづくり条例の対象案件を、延べ床面積等も勘案して対象を拡大することはできないか、見解をお聞かせください。

第2に、住民が処分取り消しを要求した、建築審査会で議論すべきことは限定されていることは理解していますが、住民の方から、事業者の説明の手法や内容への言及がなく、また被害の実情の認識や軽減策等の検証がなされていないなどの意見を伺いました。建築審査会の議論のあり方について、住民からの声を幅広く取り上げることができるよう、改善はできないか、お聞かせください。

第3に、住民が建築審査会の議事要録を開示請求したところ、一部記載されていない事項があり、テープの開示を求めたところ保存していないことが明らかになりました。このこと自体は、従来通りのことではありますが、住民への説明責任を果たすために、今後の議事要録の記載方法の改善と音源テープの少なくとも1年間の保存をルールとすることを求めますが、市長の見解をお聞かせください。

最後の4番目は、不登校の子どもへの教育機会確保法施行に伴う新たな対応について質問します。

文部科学省によれば、2015年度不登校を理由に年間30日以上欠席した児童生徒は、全国で約12万6,000人であり、全体に占める割合は1.26%で過去最高となりました。かつて不登校は問題行動で、学校で学ぶことを促さなければならないとされた時期もありましたが、現在の法律ではこうした考えは退けられています。その表れが2017年から施行された「教育機会確保法」です。不登校の児童生徒が通いやすい民間のフリースクールや公立の教育支援センターなど、学校以外の教育機会を確保する施策を国と自治体の責務とし、必要な財政支援に努めるよう求めています。学校復帰が前提であったこれまでの不登校対策は法律の上で転換されたといえます。

私はこの法律が不登校の当事者やご家族など多くの市民の取り組みの結果であることを、12月に開かれたNPO法人東京シューレ理事長奥地圭子さんの講演会で詳しく知ることができました。また、その講演会で紹介された「不登校の子どもの権利宣言」に、多くの気づきを与えていただきました。これは2009年8月23日全国子ども交流合宿「ぱおぱお」参加者一同によるものですが、一部を紹介します。「一、教育への権利 私たちには、教育への権利がある。学校へ行く・行かないを自身で決める権利がある。義務教育とは、国や保護者が、すべての子どもに教育を受けられるようにする義務である。子どもが学校に行くことは義務ではない。」多くの方に、できれば全文を読んでいただきたいと思います。

一方、武蔵野市において、お子さんが不登校であり、適切な学びの場を得られない例を、私は昨年来、何件か伺っています。フリースクールという選択肢もありますが、金銭的負担があり、すべての世帯で選べるわけではありません。長期にわたる不登校の子どものいる家庭での様々なご苦労も聞かせていただきました。学校だけでなく多様な学びの場を保障するという視点にたち、すべての子どもたちの学ぶ権利・居場所の確保を願い、以下質問します。

1点目に、武蔵野市の公立小中学校の子どもの不登校に関して、不登校の定義と小・中学校それぞれの過去五年間の人数の推移をお聞かせください。

2点目に、不登校という状態を、どのようにとらえているか、市長、教育長にお尋ねします。また、不登校の子どもへの対応方針を教育長に伺います。

3点目に、「教育機会確保法」成立・施行に伴い、武蔵野市では、どのようにこの法の趣旨を具体化していく考えか、教育長の見解を伺います。

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