武蔵境北口市有地活用問題を振り返り、公共用地の民間活用の適正なルール策定を!~5000㎡以上の定期借地権議決要件は現実に合わない~

昨年はすべての議会を通して、武蔵境駅北口の市有地活用を、PPP(Public Private Partnership パブリック・プライベート・パートナーシップ)いわゆる公民連携手法で行うことに対して、多くの質疑がかわされました。
プライベートのPは、市民ではなく私的企業という意味です。
・・計画の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この事業は、武蔵境駅北口の市有地600.19㎡を市がPPPによって、民間企業に定期借地権(30年間)で貸し出し、企業が建物建設・施設管理等を行うものです。建設コストがゼロであり、市は「直営や外郭団体による運営よりもコストがかからない」と説明しています。
1階:カフェ・クリニック・薬局
2階:武蔵境市政センター・体操教室
屋上:バーベキューガーデン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
テナントと契約も終わり、2月初めには市政センターも移転します。しかし、もう一度ここで経過と課題を振り返る必要があると思います。

今回の計画に際しては、地元住民・医療関係者などに十分な説明と計画策定への参加の場が保障されず、大きな問題となりました。また、30年という長期の定期借地権を設定するのに議会の議決を必要としないという制度的制約が明らかになりました。法律や条例の上では適法に進められました。

私は、2017年3月予算特別委員会などで、市民参加と議会の関与のあり方を考えるべきと指摘してきました。多くの会派・議員もこの手法の課題を認識し行政に要望を伝え、12月21日に市から「PPPに関する基本的な考え方とガイドライン」(素案)が市議会代表者会議に示されました。しかし、議会の議決要件は5000㎡以上の定期借地権設定にするなど条件が甘すぎると感じています。そもそもこんな広い市有地はほとんどありません。これでは現実に合わない要件です。素案ですので、今後課題を指摘し、変更を求めていきたいと思います。

PPPは、総務省や内閣府がかねてから進めている手法です。公共用地を活用して民間企業が他の事業よりも高収益を期待して参入するということにならないのか、つまり今後のPPPが民間企業に過剰な利益供与にならないのか、自治体の自立と見識が問われているのではないでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です