3・11から6年。原発事故避難者の実情と関係機関への要望~東京都・武蔵野市の実情も報告します~

原発事故の避難者の実情についての概略と関係機関への要望事項をお伝えします。

私は、2月20日の「避難の協同センター」・「原発事故被害者の救済を求める全国運動」主催の政府交渉にも参加し、避難当事者とともに訴えを続けています。

2017年3月末の、原発事故自主避難者の住宅の無償提供打ち切りまで、あと半月余りとなりました。

6回目の3・11を前に、メディアでも原発事故避難者の実情についての報道がいくつもありましたが、国民の一部には誤解なども依然としてあり、もっと事実を知らせていく必要を感じています。

ぜひ多くの方に拡散してください。

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◆3月末の住宅支援打ち切りの人数

福島県によれば、2016年10月末現在で、避難指示区域以外からの避難者数(自主避難者)は、10524戸(26601人)

◆東京都の現状

避難者は、都営住宅・国家公務員宿舎・雇用促進住宅・民間賃貸住宅など、様々な住宅に住むことになりましたが、どこの住むかは避難者の意志ではありませんでした。しかし、現在どこに住んだかによって支援に格差が生じています。東京都は他県に比べ家賃が高いので、自力で民間の賃貸住宅に引っ越す、または民間賃貸住宅に家賃を払って住み続けることが困難な世帯があります。都営住宅への入居か、家賃補助が必要です。

東京都では717世帯の自主避難者が住んでいます。これまで、避難者は東京都に独自の支援策を求め、その結果、昨年300戸の都営住宅の優先入居枠が発表されました。しかし、300戸のうち166戸しか、応募が確定していません。これは、母子世帯等をはじめ世帯要件・収入要件が厳しく設定されるなど、募集要件が実情に合っていないことの反映です。

国家公務員宿舎入居者へは「今後2年間、国家公務員並みの家賃」の条件が示されていますが、入居期間も短く、駐車場も含めると8万円程度にもなる負担は、二重生活をしている世帯などには居住の継続が困難です。

◆東京都知事への要望項目(2月24日提出)

避難の協同センター・キビタキの会・原発事故避難者の住宅確保を支援する江東の会・希望のまち東京をつくる会

1.自主避難者への家賃や転居費用などの経済的支援を早急に実施してください。

2.都営住宅などの入居要件を撤廃、もしくは大幅に緩和し、現在でも住まいが決まらない避難者に開放してください。支援から外れる避難者がでないように配慮ください。

3.民間賃貸住宅の居住継続に関し、自治体のサポートを行ってください。貸主が必要以上の諸条件の提示などで避難者が継続居住を断念することがないように指導を強めてください。

4.特に小さい子どもがいる世帯、母子避難などで経済的・生活的困難にある避難者などの実状を丁寧に聞き取り、配慮ある支援を行ってください。

5.誰も路頭に迷うことのないよう、配慮ある対応を行うことを約束してください。

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<武蔵野市の避難者の現状>2017年2月21日現在

1)担当課

健康福祉部 生活福祉課(避難者支援窓口担当)

→生活福祉課が窓口となり、各担当課を紹介

2)状況把握方法

全国避難者情報システム

3)避難者数

2011年 4月30日現在

福島県からの避難者:42世帯・92人

(内訳)緑町都営住宅:22世帯・54人

民間賃貸住宅: 7世帯・14人

一般家庭  :13世帯・24人

2017年 1月31日現在

福島県からの避難者:54世帯・116人

(内訳)緑町都営住宅:30世帯・64人

民間賃貸住宅:20世帯・38人

一般家庭  : 4世帯・14人

4)独自支援

<安全対策課>   サポートニュース発行

<ごみ総合対策課> ごみ処理手数料減免(転居して半年間60枚ごみ袋を供与する)

<高齢者支援課>  介護保険料減免(帰還困難地域の避難者に対するもの)、個別訪問、相談

<住宅対策課>   都営住宅・市営住宅入居相談及び情報提供

<下水道課>    下水道料金減免

<水道部>     水道料金減免

<市民社会福祉協議会> 歳末助け合い・地域福祉活動募金による見舞金支給

バスハイク

以上の支援は、武蔵野市に住民票がなくても避難者として登録されていれば対象となる。

<健康課>母子手帳交付・乳幼児健診・予防接種、<保育課>保育園入所・一時保育、<教育支援課>小中学校転入・就学援助、<障害者福祉課>心の健康相談・リハビリ総合相談などもサポートがあるが、市民と同水準で実施されている。