3・11から6年。福島を忘れない!避難先にとどまる人へも、帰還した人へも原発事故避難者への支援継続を

東日本大震災と福島第一原発事故から6年目を迎えました。

亡くなった方々のご冥福をお祈りいたします。また、被災者の皆さまに心からお悔やみを申し上げます。

私も、あの日の巨大な津波の映像と原発はどうなるのかとの衝撃を忘れることはできません。それから何ができたのだろうかと振り返りながら、この原稿を書いています。

事故によって福島県の住民は県内外に避難を強いられました。今も8万人が避難生活を送っています。事故による被害は、今も多くの住民に苦難を強いています。

この3月末に、避難指示区域以外から避難した自主避難者に対する住宅の無償提供が打ち切りとなります。その対象者は、福島県の集計で約26600人であり、避難者全体の3分の1に及びます。

避難先で、仕事を得たり、子どもが保育園や学校で友人を増やしたり、コミュニティの一員として生活を続ける方も多くいらっしゃいます。また、福島県の放射能汚染を心配する声も伺います。帰れない・帰らない選択をした自主避難者を切り捨ててはならないと思います。

私は2014年2月に結成された原発事故避難者の団体「キビタキの会」(キビタキは福島県の県鳥)の事務局を担当し、これまで避難者とともに、福島県・東京都・政府の関係各省庁(復興庁・内閣府・国土交通省・財務省・厚生労働省など)に対して、「避難先にとどまる避難者への支援を!安心して生活できる住まいを!」と訴え交渉を重ねてきました。

昨年7月には避難者の方々の多面的な支援の窓口をめざし「避難の協同センター」が発足し、私も正会員として活動の一端を担っています。

各地の取り組みの結果として、自治体の独自支援は一定前進しました。住宅の無償提供を継続したり、公的住宅の優先入居枠を設けた自治体もあります。しかし、自治体間の施策の格差も出てきており、避難した場所によって住まいのサポートに格差が生じています。

「避難の協同センター」へは、住まいが決まっていない方からの連絡も多く寄せられており、避難者の中でも生活に困窮している世帯が追い詰められていることが明らかになっています。とりわけ、母子世帯や高齢者のみの世帯では世帯収入が少なく、支援の打ち切りがさらなる貧困へ追い込む状況となっています。

私がこの数年の取り組みで痛感したことは、自主避難者への公的な支援は住宅の無償提供が柱でそれ以外は無いのに、避難指示区域からの避難者と同様の賠償などがあると誤解している方も多いということでした。避難者いじめが今大きな問題となっていますが、その背景に「避難者には多くの賠償金が払われている」などの事実誤認があることを軽視できません。このことをもっと広報する必要があります。

今、福島県内で避難指示が次々に解除されています。しかし、住民が戻っても、病院・介護施設・商店など社会的なインフラが整い、地域のコミュニティが再生できるのでしょうか。帰還した住民の生活と健康を見守り支える施策を政府が責任をもって用意すべきではないでしょうか。

原発ゼロをめざすエネルギー政策の転換や原発再稼働反対の訴えとともに、自治体や地域での取り組みが今後重要だと思います。避難者一人ひとりの現状に向き合い、サポートを継続していきます。